2016年3月。
うちの配送部に入社したいと、ひとりの男が面接にやってきた。
歳は若く、当時まだ26歳。
大学を卒業して某企業に入社し、初めての転職で、
昨年新卒の土屋君とサクちゃんを含めたこの三人は、
ほぼほぼ同時期に入社してきた。
その時は、ローヴェがオープンしていたので、
確か最終面接は、ローヴェの事務所で実施したと思う。
今だから正直に話すと、
最初の印象は薄く、他のスタッフと違って、
絶対にミヤモト家具でなくてはならないという、
そんな情熱も特に感じない。
良い所と言えば、随分と姿勢が良く、落ち着いていて、
受け答えもしっかりしている所くらいで
若干、
どんな性格なのか読めない部分も多かったけど、
若いうえに、配送部の入社を希望するスタッフとしては、
いささか珍しいタイプだなと思い、
特別思い入れも無かったが、
採用試験での合格を言い渡した。
入社後、
私が彼と関わる事はほとんどなく、
私は宇戸本部長に彼を丸投げした(笑)
申し訳ないが、
入社後の彼の様子を、いまいち思い出せないほど、
実はとても印象に薄い。
その後、澤田 駿、中村 ユカを中心とした、
昨年度の黄金世代の研修に、
少し入社がズレていたものの、
ついでだったしね。
だき合わせで、彼も研修に参加させることにした。
SOLIDがオープンする前。8月頃の出来事だ。
私と直接関わった、最初の出来事といっていいだろう。
それから私は、随分と時間をかけて、彼とじっくり話をしたと思う。
そんな彼の名前は、
塩岡 孝晋(たかゆき)当時26歳。
研修も一日も経てばですね。
彼のコトはおおよそ分かったし、
そんな性格を知るのには、さほど時間もかからなかった。
というのも・・・
最初の印象とは裏腹に、
実は彼。
随分と分かりやすい男だったからだ。
これは、SOLIDがオープンする、数日前の研修の時。
いつも研修が終わってから、
「社長!こんな勉強会に自分も参加させてくれて、本当に有難うございます!!」
と御礼を言って、元気よく帰っていく。
帰り際に私がいないと、
机の上に「ありがとうカード」を置いて帰る、意外に律儀なイイ男。
その後、彼に予期せぬ出来事が降りかかる。
実は、全く予定していなかった、
SOLIDのオープニングメンバーに選ばれ、
更には全店の受発注業務を担当する事となる。
弊社のスタッフには分かると思うが、
現実、これは大変な仕事量だというコトを、
誰しもが知っていたし、
当然、私が頼んだので、私が一番よく知っているわけだが。
SOLIDがオープンする、ちょうど1か月前の出来事だったと思う。
私は彼に確認した。
「塩岡君。やれるか?」
「社長。これは自分にとってはチャンスだと思っています!必ずやり遂げます!」
彼はそう言って、私に笑顔を見せてくれた。
時間の無い中での、SOLIDのオープン準備は、予想以上に困難を極めた。
何もかも自分たちでやったせいか、
オープン準備は、前日ギリギリまでを要した。
家具の接客をしたことの無い塩岡君は、
通常の業務と共に、接客とコーディネートの知識を習得しようと、
ここでも必死に学び続けた。
そして、待ちに待った、念願のSOLIDはオープン。
岡本店長、中村ユカと共に、塩岡君は、
晴れてスターティングメンバーに名を連ねた。
「一生懸命」という泥臭い言葉が、彼ほど似合う男もいない。
彼は紛れもなく、いつも一生懸命だった。
ある日の夜。
接客に、受発注の仕事にと、忙しそうな彼を見たスタッフが、
なるだけ他の仕事を増やさないよう、気遣っている様子を見て、
私は彼を呼び出してこう話した。
「この仕事を降りたほうがいい。他の仕事の担当になれば、もっと楽にもなれる。」
少しばかし、厳しいことも言ったと思う。
しかし、彼からは意外な答えが返ってきた。
「社長。他のスタッフに気を遣われないようにしますから、最後までやらせてください。この仕事に誇りを持っているんです。」
そして、会話の合間合間に、こんなことも話していたな。。。
「このミヤモト家具で、唯一無二の存在になりたい」
私がSOLIDに来る前の辞令を出した時、彼に贈った言葉である。
元々、ミヤモト家具の配送部の仕事がしたくて入社してきた塩岡君でしたから・・・
私はこの度。6月16日付けで、当初の予定通り、
SOLIDでの勤務を外し、「受発注兼配送部」の勤務を命じた。
当然、うまく育ってくれればなぁ~ って気持ちで、
あまり期待をしないよう、
SOLIDの販売部と全店受発注の仕事を兼任させていたのだが、
それには理由が有った。
私は彼に、SOLIDの販売と全店舗の受発注をさせることで、
将来的に彼を、私が目指す、「理念配送員」の象徴的なスタッフにしようとした。
配送や採寸に行きながら、現場で接客し、家具や雑貨や照明の提案も出来る。
全体の受発注を経験させることで、倉庫内の製品を全て網羅し、
的確な管理とスムーズな積み込み等の出し入れが出来る。
在庫を常に把握し、返品交換業務等も同時に行うことで、
倉庫内の無駄な在庫も軽減するコトも出来る。
そして何より、ミヤモト家具が目指すべき将来像、企業理念を、
配送にお伺いするお客様ひとり一人にお伝えすることもでき、
販売員のお客様に対する気持ちを知り得たことで、
配送に行きながら、現場での的確なサポートだって出来る。
SOLIDでの仕事をする前に、
思えばこのコトをちゃんと伝えておりましたが、
正直ですね。。。
こんなにうまくいくとは思わなかった。。。
塩岡君。
ほんとうに、
よく頑張ったね。。。
カッコ良かったぞ!
常に前向きで、弱音を吐かず、仲間に愛された塩岡君。
ウザいくらいに真っすぐなので、またの名を「ワンパク」と呼ばれた(笑)
テレビ取材の際は、本番でカチコチになりながらも、
取材が終わってから、全力で情熱をぶつける、常にタイミングの悪い男(笑)
どんな時にも、笑顔を絶やさず、皆を引っ張ってくれた。
懇親会にもなれば・・・
いつも全力で皆を大笑いさせてくれました。
そして実は、一児の父親でもある塩岡君。
裏の顔は、家族を大切にする、優しいお父さん。
いつの日か、
そんな彼のポジティブさは、もはや才能だと思った。
今思えば、私ですら、彼の前向きな勤務姿勢に、何度も励まされたような気さえしている。
お買い上げいただいたお客様に喜んでもらおうと、
配送に出ても一生懸命。
仕事の帰り際の挨拶は、
「社長!きょうも最高でした!」
と言って帰るのがお決まりのパターン。
彼の周りには、いつも笑顔が集まった。
お客様に喜んでもらえた時には、本当にイイ表情で、
嬉しそうに話をしてくれる塩岡君。
異動間近の5月も下旬。
夜、SOLIDの事務所で仕事をしていた私を訪ねてきたので、
久しぶりにゆっくり話をした。
その時に、
彼が私に話してくれた言葉が忘れられない。
「SOLIDに来る前に、
社長から配送部からの異動を言われた時は、
正直ピンとこなかったけど・・・
今までやってきたことの全ては、
ここに繋がっていたんですね。
ようやくスタートラインに立てます。
社長。本当にありがとうござました。」
私はその言葉を聞いた時、
何だか本当に、胸が熱くなったし、
こんなスタッフがいるからこそ、
今もこうして、自分も頑張る事が出来るのだなと感じた。
彼のとびっきりの情熱は、
いつしか私にも伝染した。
入社した当時、彼がこんな男になる事を、
誰か想像しただろうか。
残念ながら、僕は想像できなかった。
相当見る目が無いですね。
ホントに・・・。
彼の夢。
まだ幼い自分の子供が、将来、
「お父さん、働いていて、毎日楽しそうだね。」
「お父さんのいるミヤモト家具、カッコイイね!」
と言ってもらえるようになる事。
そして極めつけは、子供が小学生にあがり、学校で将来の夢を発表する時に、
「お父さんのようになりたい」
と、言ってもらうことだそうです。
うちの子ですら言わんやろうから(笑)
相当、壮大な夢ですね。
実は塩岡君の夢には続きがあるのですが・・・
その部分だけは、
今は、私の心の中にとどめておきたいと思う。
私は必ず、彼の夢を実現してあげられるように、
全力でサポートしてあげたいと思う。
表の顔は、
ミヤモト家具で、唯一無二の存在。
そして、裏の顔は、
塩岡家の偉大なるヒーロー。
この度、満を持して、配送部兼受発注センターに復帰を果たす!
塩岡 孝晋 27歳
彼もまた、私の“大切なヒト”である(*^-^*)
株式会社ミヤモト家具
https://www.miyamoto-kagu.net/corp/
INTERIOR SHOP MIYAMOTO
https://www.miyamoto-kagu.net
Vintage Factory
https://www.vintagefactory.jp
Interior Proshop LOWVE
https://www.kagu-lowve.jp
SOLID FURNITURE STORE
https://www.solid-furniture.jp
代表取締役 宮本 豊彰
お話ししたことはありませんが、塩岡さんを応援したいと思いました。塩岡さんの仕事に駆ける情熱と、宮本社長の温かさが交差して、見ていてとても元気をいただいた気分です。配送部での活躍を、心からお祈りしています。頑張って!