もう何年前になるんやろうか?
私の記憶が確かなら、
今から4年近く前であったと思う。
ひとりの男性が、我が社に履歴書を送ってきた。
スタッフが足りていたので、私は さっと 目を通し、
日々の業務に戻った。
特段
考えることも無く、
当時は、どれだけひとつの店舗から深堀りした仕事が出来るかが焦点で、
新規店舗をオープンするとか、事業を拡大していく事は、
殆ど考えてもいなかったので、
私はその履歴書を、すぐに机にしまったと記憶している。
そのあとの事は覚えていない。
あれから3年ほど経ったある日のことだ。
ひとりの男性から連絡が入り、
入社を希望したいとの連絡。
特段、よくある話なので、
普段なら気にも留めないのだが、
なんだろうか。
少し、気がかりな部分を感じ、
どんな子なんだ?
そう思いながら、
面接の日を迎えた。
歳は若い。20代も半ばほどと思った。
経験値は、大学を卒業してから幾つかの職場を経験し、
ただ、この道(インテリア業界)での経験は長い。
私もこの業界に長いので、彼が歩んできた道のりを、
なんとなくだが想像できた。
きっと、この時はこうだったのかなと想像し、
インテリアコーディネーターの資格者であるものの、
転職も多い上、決して褒められた履歴書ではない・・・
しかしながら、
とっさに私は、
「苦労してきたんだな」
と、彼に話をした。
誰もが、学校を卒業し、社会人になる時は、
希望一杯で、不安も少し入り交じり、
しかしながら
程よい緊張感のもと、ヤル気に満ち溢れ
情熱を持って仕事に取り組むヒトも多いと思う。
それもこれも、社会の厳しさを知るまではね。
彼は、まさしく、その厳しさに直面した。
希望に満ち溢れてインテリア業界に入社したが、
思うような仕事は出来ず、、、
彼は職場を転々とした。
1次面接の時だったと思う。
昔、我が社に、東京から富山に戻ろうとした際に、
ミヤモト家具で働きたいと、履歴書を送ったというのだ。
まさかあの時の・・・
と、思い出したのは、彼が帰った後。
う~ん。随分と前置きが長くなってしまった。
彼の名は、岡本 貴広 30歳。
この度、明日、オープンを控える新店舗。
SOLIDの店長に就任する。
本当は、前日ですから
SOLIDの魅力やコンセプトでも、話したほうが良いのだと思いますが、
本当に、
彼がこの日。
無事に店長として新たな舞台に立つ日が来るのなら、
私は前日に、彼の事をブログで紹介すると決めていた。
希望に溢れながらも、理想と現実の狭間に揺れ、
自分を見失った時もあったと思う。
「こんなはずじゃない・・・」
そう思い、ふがいない自分も経験したに違いない。
これは、あとから聞いた話。
彼は、先日結婚したばかりの奥様と、かれこれ10年以上のお付き合いがあり、
弊社に入社する前に、すでにプロポーズをしていたという。
彼女の答えは・・・
「今の会社が、長く務める場所でないのなら、もう少ししてからでも・・・」
という返事だったと聞いた。
その言葉が、
彼をもう一度、ミヤモト家具の入社試験にチャレンジしたいと、背中を押してくれたと、私に話してくれた。
二次面接の時、私は、
彼が、仕事での情熱を失ってしまうまでの苦悩を、とにかく聞いて、これからどうなりたいのかを、
とことん話をしたと思う。
それでも、何度聞いても、
この業界、家具が好き、インテリアが好きであると同時に、
弊社の理念に心から共感していた彼は、
ミヤモト家具ならば、お客様と真っすぐに向き合い、仕事が出来る。
そんな思いを、私の前で口にした。
話をしながら
長くに渡りくすぶっていた、彼の心の奥底に、今も眠っている感情を垣間見た時、
私は思わず、面接中に目頭が熱くなり、
彼の顔は、目を真っ赤にしながらも、優しさが溢れた表情をしていたのが、今も忘れられない。
ミヤモト家具に来るまでの間、
彼は紆余曲折を経験した。
面接のとき、
ミヤモト家具ならば、自分に正直に仕事が出来る。
そう思ったと話す彼の顔は、嘘偽りない表情に感じた。
22歳の頃に、希望に満ち溢れてこの業界に足を踏み入れた彼は、
いつの日か、
その情熱を何処かに忘れてきたのかもしれない。
しかしながら、ここミヤモト家具で、
彼はいつだって・・・
お客様と真摯に向き合い、
家族や、
仲間に愛されて、
くすぶりながらも、捨てきれなかった情熱を、
彼は完全に取り戻した。
楽な船出ではないし、
これから、店長としての困難も待ち受けるだろう。
しかしながら、
私は、彼の今後の行く末を見届けたい。
よって、
彼を改めて、
初代SOLID FURNITURE STOREの、店長に任命する。
こけたら一緒に、起き上がればいい。
たった、ただそれだけのコト。
亡くなったおばあさんにも、
今こそ、彼の輝いている姿を、
見てもらいたかったなぁ。
きっと、喜んでくれたんでしょうね(*^-^*)
いつか胸を張って、
おばあさんに、心から報告出来るその日まで。
取り戻した情熱を胸に、
岡本貴広 30歳。
彼もまた、私の、大切なヒト である(*^-^*)
ミヤモト家具
INTERIOR SHOP MIYAMOTO
https://www.miyamoto-kagu.net
Vintage Factory
https://www.vintagefactory.jp
Interior Proshop LOWVE
https://www.kagu-lowve.jp
SOLID FURNITURE STORE
https://www.solid-furniture.jp
代表取締役 宮本 豊彰
何度見てもいい話です。
このブログに励まされ、
インテリア業界に従事している者です。
自分も岡本さんのようになりたいし、
宮本社長のような方に巡り合いたいと思いました。
素晴らしいブログを書いてくれて、
ありがとうございます。
中島さま
3年前のブログにも関わらず、
心温まるコメントをいただき、
とても心励まされるような思いです。
続きが書けるように、
これからも頑張ります!
本当にありがとうございました!