今から8年ほど前になるやろうか?
いままで、数多くの忘れられないお客様との出会いを経験してきたが、
その中でも、
私には、きっと自分が歳をとってボケ老人になろうとも、
忘れられない、いや、忘れてはならないお客様がいる。
名前は「人母」と書いてヒトボさん。
彼をひと言で例えるなら、
ミヤモト家具の、プロフェッショナルなお客様。
…そんな感じ(笑)。
最後にお会いしたのは、今からおよそ5年前。
仕事で富山を離れる事となり、職場ですこぶる仕事の出来るヒトボさんは、
本社勤務を命じられ、
単身赴任で県外に行ってしまうこととなる。
わりと購入したばかりのマンションと、
そこで、ミヤモト家具でフルコーディネートされた家具やカーテン、雑貨や特注品。
そして奥様も富山に残し、
私は私で、転勤になるまでの2年ほどの間で、
販売員とお客様の垣根を超えたと言えば良いのか・・・
随分と深い信頼関係を構築できていたと言うこともあり、
なのせ当時は、とにかく寂しかった。
5年前。県外に出発する最後の日に撮った記念写真は、
こんな感じで(笑)、わたくしは当時36歳。
まだミヤモト家具も1店舗の時でしたし、
Vintage Factory を、設立しようと計画を試みていた時だったと思う。
私は当時、ヒトボさんには、
家具屋のオーナーとして、社会人として、
鍛えてもらったといった印象を抱いておりまして、
というのも、
インテリアに全くの妥協を許さないヒトボさんが、
私に投げかける要望は、すこぶる難解(笑)!
ヒトボさんに喜んで貰いたいという想いひとつで、
私はどうにかして要望に応えることが出来ないものかと、
毎度頭をひねらせながら・・・。
ヒトボさんの、その難解な要望を満たしていくコトで、
私は自分の中の引き出しを、
ひとつ一つ増やしていくコトができた。
同時に、難しい要望をカタチにし、お客様から喜んで頂くことが、
これほどまでに日々充実し、心が満たされ、
心地良い思いが出来るのかと、
改めて、この仕事の「やりがい」を感じたものである。
(後に、結果としてこのことが、お客様の要望に100%近づくことが出来る家具屋になりたい!と、私にVintage Factoryを設立させるキッカケとなった。)
随分、ご自宅のマンションの家具に、
ご予算を費やして頂いたということもあり、
当時、単身赴任先のアパートの家具のコーディネートを任された時は、
さすがに数年問題なく暮らせるくらいの、
それなりの家具で良いと思って提案したのだが、
その時、ヒトボさんに言われたのが、
「社長に何もかも任せるから。
ミヤモト家具らしい家具を持ってきて!
仮住まいのアパートとはいえ、仕事から毎日帰る場所に、
ミヤモト家具さんくらいの心地よい家具がないと、
寛ごうにも寛げないですよ。
そんなことでストレスになるのは嫌だから」
そう言われ(笑)、
路線変更したワタクシは、
単身赴任先の、一人暮らしとは思えぬ、そんな部屋に仕上げた。
そしてこの度、
ヒトボさんは本社の勤務を無事に終えて、
5年ぶりに富山に戻ってきた!
私に逢いに、奥さまと仲良く、SOLIDにご来店頂き、
なんだかな~~(^^)
私にとって、ヒトボさんに逢うことは、
「感動の再会」
といって、大袈裟ではないっ!笑
あっという間の1時間程でしたでしょうか?
当時、マンションの家具を購入された際の、
昔話で盛り上がりながらも、
単身赴任先で体験した苦悩や、
体調を壊された日のことなども、
赤裸々に話してくださったヒトボさん。
きっと、私には想像つかないような苦労も、
沢山してきたのだろうと思う。
そしてこの日。
ヒトボさんとの会話の中で、
何気なく私に話してくれた言葉が、どうにもこうにも忘れられない。
「単身赴任先での5年間。俺ね。
社長の提案してくれた心地よい家具に助けられたよ。
仕事で疲れていても、
部屋に戻れば、自分の好きな、快適な家具があった。
社長の所の家具があったから、
5年という長い年月も、ずっと一人で頑張れたんだ。」
これを聞いて、
ヒトボさんと奥様に向かい合いながら、
危うく泣き出しそうになってしもた。。。
自分がしている仕事って、なんて幸せな仕事だろう。。。
たかが家具。されど家具だ。
何処の家にも、
家具は、毎日の生活の中で、
あって当然のように存在する。
犬や猫などのペットと違って、
ワンともウンとも言わなければ、喜んで動き出すことも無い。
でも、
いつも通りの場所に座り、
自分の生活の中の、無くてはならない道具として、
当たり前のように存在する。
ミヤモト家具の仕事は、ただの物売りじゃない!
購入いただくお客様の生活に寄り添い、
お客様の心豊かな快適な毎日を、
何気なくだが、確実に支えていける仕事なのだと思う。
「ミヤモト家具の家具が無かったらね。しゃちょう!俺、死んでたよ~笑」
なんて冗談を言いながら話すヒトボさん。
5年前も今も、全く変わらない、
屈託のない笑顔で、私に笑い返してくれる。
今も昔も、ガムシャラに仕事をする私をみて、
「たまには手を抜かないと。
若くして亡くなったオヤジさんみたいになったらアカン!
社長には、ずっと元気でいて欲しいんだ」
と、そういや昔、よく言われたな・・・。
単身赴任先に行って、ヴィンテージを設立したコトを知り、
立ち上げたばかりで、
当時誰にも知られず、見られることも無かったfacebookで、
いつもコメントしてくれたのもヒトボさんだった。
購入して何年も経過しながらも、
遠方から自分のブログや個人のSNSも、いつもチェックし、
何気なく気にかけてくれた。
今、こうして沢山のお客様がいらっしゃることは、
決して当たり前じゃない。
昔から応援し、支えてくれたお客様がいたからこそ、
今のミヤモト家具があるということを、
私たちは、絶対に忘れてはいけないのだ。。。
改めて、ヒトボさんと久しぶりにお逢いして、
そんなふうに感じた真夏の夜。
嬉しい時も、辛い時も、悲しい時も、
いつも変わらず、帰る部屋には家具があり、
そこには、
長年、自分を支えてくれた、
ミヤモト家具の、プロフェッショナルなお客様が存在する。
人母 敏和
彼もまた、私の“大切なヒト”である(*^-^*)
株式会社ミヤモト家具
https://www.miyamoto-kagu.net/corp/
INTERIOR SHOP MIYAMOTO
https://www.miyamoto-kagu.net
Vintage Factory
https://www.vintagefactory.jp
Interior Proshop LOWVE
https://www.kagu-lowve.jp
SOLID FURNITURE STORE
https://www.solid-furniture.jp
代表取締役 宮本 豊彰